彼女ら

夏用の薄いスカートから覗く膝小僧は太陽みたいだった。

真っ白にピンクで乗算掛けてなんかない、日焼けして傷跡も目立つ。なのに眩しい。

見ていられなくて思わず俯くと、自分のそれが目に入る。
おんなじ膝なのに、むしろ私の方が色は白いのに。

ちがった。
そこにあるのは、ただの関節であった。
骨の塊のうえにうすい皮膚がピンと張って
確かにそれは若さの象徴に他ならないものだった、
なのに。

私は原因を模索した。そして思った。
人生を最も効率よくクリアしようと、流されて楽して生きてきた私の全ては、目には優しいけどそれだけだ。

見るものを圧倒させるような
暴力的なくらい眩い光を放つもの、
"青春"と呼ばれるそれを、はじめて心の底から憎んだ瞬間だった。